三鷹争奪戦? -練習試合 vs横河武蔵野FC(小平)-
「FC東京vs横河武蔵野FCこそ、真の東京ダービーだ」という意見を時折耳にする。
かつて等々力をホームグラウンドとしていたヴェルディとの対戦を「東京ダービー」と称する必要などない、という意図なのかもしれないが、それだとアンチヴェルディ色が強すぎる気がするので、新たに名称を考えてみた結果、「三鷹争奪戦」という単語が思い浮かんだ。気に入った方がいたら是非とも使っていただきたいと思う。ただ横河武蔵野FCの歴史を考えれば、この争奪戦で「永遠の新参者」という役割を負うのは我々東京なのだが…。
試合開始20分くらい前に小平グランドに到着。選手達のアップを眺めているとワンチョペがいないことに気が付いた。怪我でもしたのだろうか。今野もいない。風邪がまだ完治していないのだろうか。開幕には間に合うのか少し心配だ。青と黄色のマフラーを付けた方も何名か見かけた。
試合開始直前、先発メンバーがユニフォームに着替えてセンターサークルに集合する。背番号を確認すると吉本とエヴァウド、徳永が同時に起用されるようだ。5バックでも敷くつもりなのかと考えていたがさにあらず。先日のヴェルディ戦で足に違和感があると言ってピッチを退いた福西の代役として、エヴァウドが起用されたのだ(ちなみに福西はコーチと共にランニングしていた)。エヴァウドの相方はヴェルディ戦から連続連続出場となる栗澤。DFラインは右から藤山、徳永、吉本、金沢でGKには土肥。前線は1トップで赤嶺。左サイドには大事を取ってヴェルディ戦を欠場したルーカス、右には石川、そしてトップ下にはルーキー・森村。現時点で、梶山が使えない場合のファーストチョイスは彼ということなのだろう。
東京はルーカスと石川がときおりポジションチェンジを繰り返し、サイドを基点に攻めようとするがお互い大きな決め手がなく一進一退の攻防が続く。そのバランスが崩れたのは30分過ぎの選手交代。GKには塩田、DFは右から小山、八田、吉本、池上。中盤は栗澤に変わって鈴木健児。左サイドには鈴木規郎が入りルーカスが1トップ、赤嶺が左サイドへ。この布陣に変わってからは中盤でボールが収まらなくなり、横河が試合のペースを握る。ヒヤッとする場面が1、2回あったが無失点で前半終了。印象に残ったのは、目と鼻の前で展開された池上のオーバーラップと、ルーキーながら積極的に声を出して味方を鼓舞している吉本だった。
後半は吉本に代わって浅利、赤嶺に代わって川口。エヴァウトは本来のポジションへ戻る。川口や規郎、小山の単独突破等サイドを起点とした攻撃が展開され、前半終了時に奪われていた主導権が徐々に東京へと戻ってくる。小山のサイドラインを駆け上がるドリブルは、良くも悪くも「重戦車」とか「がむしゃら」といった形容詞がぴったり来るものだった。そして左サイドから突破した規郎のクロスにルーカスが合わせて先制点を奪う。その数分後、横河のファウルを貰って少し足を気にしていたルーカスに代わりワンチョペ登場。テレビで見たヴェルディ戦ではボールを貰ってもすぐ味方にはたくシーンばかりが印象に残ったが、今日は左足で強烈なシュートを放ち、コーナーキックではDFと競り合ってヘディングを放ち、DFの裏を取ろうとする動き、それに加えて味方に「ここにパスをくれ」という意思表示する姿が見られた。ヒザの調子が思わしくないと言われる馬場も後半の途中で森村と代わって登場。
先制点を奪った後は一方的な展開になった。コーナーキックを八田が頭で合わせて追加点を奪うと、右サイドを突破した規郎が切り替えして中に進入。その後左足でシュートを決めて3点目を決めた。この直後規郎はリチェーリと交代。彼の憮然とした表情が印象的だった。ゴール前の混戦、ボールをキープした川口が角度のない位置から右足を振りぬき4点目。その川口を横河DFがペナルティエリア内で倒してしまいPKのチャンス。川口がボールを触っていたので彼が蹴るものとばかり思ったが、キッカーはワンチョペ。難なく決めて5点目とし、そのまま試合終了となった。
栗澤はよく「バランサー」だと言われるが、その能力がどんなものかいまいち把握できずにいた。今回ボランチ起用となったエヴァウトがそれなりに機能しているように見えたのは、彼の周りでプレイしていた栗澤の力が大きかったのではないかと思う。
先週の「東京ダービー」は、昨年のPSMで犯した失敗を繰り返し、観戦できなかった。「ダービーに対するアティテュード」なる文章を書いておきながら、自身が観戦していないのは言語道断だ。そんな自分自身に対するけじめを取るべく、私の目から見た「真の東京ダービー」を書いた。試合中心の観戦記としては及第点以下の出来だと思うが、これを読んで何かの参考になれば幸いである。
