今年から席種をG2に変更したので、いわゆる「ゴール裏」で応援する回数は大きく減ると思われる。これを機に、2005年から4年間ゴール裏にいた私が応援について考えたことをまとめておきたい。
「90分間飛び跳ねて荒れ狂う東京ゴール裏などといったものは存在しない。当意即妙なコールでスタジアムを盛り上げる東京ゴール裏が存在しないようにね」。
出来の悪いパロディで恐縮だが、4年間ホーム自由(旧・G1)SOCIOとして応援してきた率直な感想である。そして現状の応援形式を続けていく限り、将来的にスタジアム全体をひとつにまとまる瞬間は「選手コール」と「ユルネバ」、得点後の瞬間だけになるだろう。なぜこの3つだけになるのかと言えば、どのような声をかければいいかがゴール裏以外の観戦者に分かりやすいからだ。選手コールはそのまま選手の名前を叫べばいい。一見さんがビジョンの歌詞を見てユルネバを歌えるとは思わないが、「こういう歌詞なんだ」と知らしめるのには一定の効果がある。3つ目は言わずもがなだろう。それ以外の全ての応援歌は、スタジアムにおいて多くの人に内容を理解してもらい、歌ってもらうための努力を全くといっていいほど行っていない。
コールを切っているのがサポーターグループなのか個人の集まりなのか、露天商の店長なのか存じ上げないが、自分たちのやり方でスタジアムを盛り上げたいと思っているのか非常に疑わしい。例えば2008年もいろんな新曲が生まれたが、その扱いひとつとっても浸透させるための対策を講じているようには思えない。アウェイで「新曲作ったので広めましょうと」お披露目するのはいいが、それと同じことをなぜホームでしないのか。アウェイでのお披露目一度きりで普及すると本気で思っているのなら、即刻考えを改めて頂きたい。というのも、手前味噌で恐縮だが、梶山の応援歌の元ネタは「Rule Britannia」と書いた記事には非常に多くのアクセスを頂き、この記事を前後して明らかに音程が変わった(ように思ったのだが、私だけだろうか)。要するに「ゴール裏が何をしているのか知りたいが、知る手段がほとんどない」という状態なのだ。
じゃあお前は何か案持ってるのか?という声もあるだろうから、改善案を以下に示す。

応援歌の歌詞を知っていて、かつ声を出し手拍子をする個人が現状どこに集まっているかを示したのが上記右の赤い部分である。これだと当然端の方との温度差が出るし、知ってる人は知ってる、知らない人は知らない人で格差が出来てしまい、結果的にスタジアムの雰囲気は悪くなる。その温度差を少しでも縮めるための案が上記右の図である。左図の赤いエリアで毎試合応援している人間が、横に薄く広がって、応援するのだ。
私は50、51エリアで主に一人で歌って手拍子していたのだが、周りのサポーターがつられて歌ったり手拍子をしてくれる、という経験が何度もあった。「周りは気にするな」と言っても気にするのが日本人、と話を大きくするわけではないがそういう人は意外と多いので、少しでも声を出しやすい雰囲気を作るための「薄く広く作戦」である。
後はメリハリだろうか。試合開始から同じ歌を10分も15分も歌い続けるのは、よっぽどの時だけにして、同じ歌は4~5分で切り上げるべきだと思う。新曲の歌詞を積極的に広める気がないのならば、新曲選手コールを主体にして複雑な歌詞が出てこないものが望ましい(例えば「smoke on the water」みたいな感じのもの)。畑違いだが、千葉ロッテマリーンズの応援が短期間であれほど広まったのは、耳に馴染みやすいメロディを選ぶ選曲のセンスと、選手コール及び「千葉ロッテ」「マリンズ」「オーオーオー」を覚えれば参加しやすいのだ。歌詞に思想を込めたい気持ちは痛いほど分かるのだが、歌詞を複雑にすればするほど普及は難しくなるのだが、それを「俺達のやり方についてこれる奴らだけついて来て」と言って押し通すのなら、座席を占拠して掲載しているベロの旗を、横断幕掲載可能エリアへ即刻移動していただきたい。中心に居座るなら、居座るれるだけの何か・・・と書くと、以前の議論と同じになるのでここで強引に終了。
差し当たり、ここ数年東京の試合をゴール裏中心部(もしくはその近辺)のみで観戦しているような方がいらっしゃったら、是非ともゴール裏以外の場所で観戦することをお勧めする。ゴール裏にこだわりたいなら、バックスタンドやメインスタンドに程近い場所でもいい。「最初の2、3回は付き合うサポーター」「手拍子だけは付き合うサポーター」「東京が優勢になると参加するサポーター」「何を歌っているのか分からず戸惑っているサポーター」「そもそも応援に興味がないサポーター」等など様々なサポーターがいるのが分かるし、現在の東京ゴール裏を客観的に眺めることで何か発見できるはずだ。その上で、スタジアムを盛り上げるために何が出来るかを考えれて行動に移せれば、きっと素敵な味スタが生まれるはずだ。
ちなみに自分がG2へと移動した理由はいろいろあるのだが、「フットボールをもっとよく知るために、ピッチを俯瞰できる場所で試合を見たいから」というのも大きい。フットボールの「理の体系(©夢枕獏『東天の獅子』」を積み上げることが、よりよい応援に繋がるはずだ(と言っても今年の観戦記の内容が変わることはないだろうが・・・)。「それならどうしてSB指定やSSにしなかったのだ?」という声に対しては・・・SOCIO11年目を迎えるまでお待ち下さい、と申し上げておくにとどめる。